日本の居酒屋の人気メニューの「レモンサワー」。実は、この「サワー」系の飲み物の起源は、なんと1960年代の居酒屋。質のいい焼酎が出回らない中、とある居酒屋でなんとか美味しく焼酎を飲んでもらおうと、焼酎にレモン果汁を入れ、炭酸で割ったものを提供したところ、お客様からの評判が良かったことが始まりとされています(※当初は焼酎ハイボールのネーミング)。
焼酎にレモン果汁を入れ、炭酸で割ったこの居酒屋で大人気のレモンサワー。今ではよりおいしさを求め、「塩レモンサワー」「蜂蜜レモンサワー」をはじめに、たくさんのアレンジサワーが見られます。
しかし、このサワーは日本独自の居酒屋発祥のネーミングで、BARのカクテルでサワーはまた別の飲み物。元バーテンダーでありながら、柑橘栽培を学ぶ農業研修生のこの僕が、比較的作るのが簡単でありながら、居酒屋では提供できない美味しいレモンサワーのようなレモンを使ったカクテルの作り方を紹介します。
脱居酒屋!本格レモンカクテルの作り方
- レモン…1個
- ウォッカ…25ml
- コアントロー…5ml
- MONINシュガーシロップ…5ml
- ソーダ…適量
※シェイカーを振らないカクテルです。
1. レモンの果汁を絞る。

本格レモンサワーのレシピでは、レモンの果汁を少し多めに使用するので30ml以上を絞り、一度別のグラスに入れておきましょう。
2. グラスに氷を入れる。

グラスに入れる氷は可能であれば、コンビニやスーパーなどで販売している透明な氷を使用しましょう。自宅で作った製氷器の氷は、塩素やミネラルなどの不純物が含まれ、雑味の原因になるだけでなく、冷凍庫など周辺環境や水自体の臭いを氷が取り込んでしまっていて、カクテルの味を邪魔してしまします。
3. レモン果汁を30ml入れる。

手順1で絞ったレモンのフレッシュ果汁を30ml入れます。
4. ウォッカを25ml入れる。

5. コアントローとシュガーシロップを5ml入れる。


コアントロー(オレンジを主原料にした無色透明のリキュールで、軽やかな甘みや風味が特徴)とMONINシュガーシロップ(ガムシロップなどで代用可)を5mlずつグラスに入れ、カクテルの「甘味」を作り出していきます。
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美味しいカクテルの秘密を紐解いていくと、要素として欠かせないのが「甘味」と「酸味」のバランスです。「甘味」を構成するリキュールや、シロップ、砂糖、ジュースに、「酸味」を構成する柑橘系の果汁や果実のこのバランスが、カクテル作りではとても大事だと言われています。
「甘味」と「酸味」をミックスする意味
果物を原料にしたリキュールは多く存在しますが、それだけを飲んでも果物そのもののフレッシュな味はしません。いちごのリキュールを飲んでも、感じるのはせいぜい「いちごシロップ」と言う認識くらい。
しかし、そこに柑橘系の果汁で「酸味」を足すと、途端にフレッシュな果物の味わいが立ち上がってきます。豊かな「甘味」と「酸味」が完成し、おいしいカクテルが出来上がります。
材料をミックスする意味がここあります。
参照:鈴木隆行『おいしいカクテルの図鑑』成美堂出版, 2022 p.53
6. 一度材料をよく混ぜ合わせる。

「酒・甘味・酸味」がしっかりと調合され、三位一体となるカクテルを作るために、バースプーンなどで材料を一度よく混ぜ合わせます。
7. ソーダを注ぐ。

炭酸水を注ぐときは、なるべく氷のすき間からゆっくりと静かに注いでいくのが基本です。これは、炭酸が抜けてしまうことを防ぐためです。
8. 軽く混ぜ、レモンピールを振りかけて完成!

炭酸水を注いだら、炭酸が飛びすぎないように、氷を下から上に持ち上げるイメージで優しく混ぜていきましょう。そして最後にピール(レモンの皮)を少し離れたところから搾り、香りをつけて完成です。お好みでさらに飾り付けをしてもなおいいですね!
ワンポイントレモンなどの柑橘の皮には、多くの油分が含まれており、このオイルをかけてあげることが重要です。オイルは液体に浮く性質を持っているので、香りづけになるだけでなく、レモンを舐めているような感覚で飲むことができます。皮の部分も美味しく使うことができるのが柑橘の魅力なので、最後まで残すことなく堪能してくれたら嬉しいです。
